なぜ隠れない?8月10日の大惑星直列をやさしく解説

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2025年8月10日、太陽系の6つの惑星が同じ方向に並んで見える「大惑星直列」がやってきます。

明るい水星・金星・木星・土星は肉眼でも確認でき、天王星と海王星は双眼鏡や望遠鏡を使えば姿をとらえられます。

ところで、同じ方向に並んでいるはずなのに、なぜ惑星同士が重なって隠れてしまわないのでしょうか?

その理由と観測の楽しみ方をやさしく解説します。

目次

8月10日「大惑星直列」がやってくる!

2025年8月10日、太陽系の複数の惑星が空の同じ方向に並んで見える「大惑星直列」が起こります。

これは地球から見て、惑星がほぼ一直線に並ぶように見える珍しい現象です。

望遠鏡や双眼鏡を使えばよりはっきり確認できますが、条件が良ければ肉眼でも何個かの惑星を同時に楽しめます。

今回の並びは6つの惑星が同じ空域に集まって見えるため、夜空に壮大な宇宙のスケールを感じられるチャンスです。

肉眼でも見える惑星と、道具が必要な惑星

今回見えるのは、水星・金星・木星・土星・天王星・海王星の6つです。

水星・金星・木星・土星は比較的明るく、街明かりが少ない場所なら目だけで見えます。

一方、天王星と海王星はとても暗く、位置もわかりづらいため、双眼鏡や望遠鏡を使うのがおすすめです。

肉眼と道具の両方を使い分けることで、明るい惑星と淡い光の惑星をバランスよく観測でき、直列の奥深さを味わえます。

「直列」ってどういう意味?

「直列」というと、惑星がピタッと一列に並んでいるように感じますが、実際には惑星同士は何億キロも離れています。

それぞれ太陽の周りを違う軌道で回り、その軌道には少し傾きがあります。

地球から見たとき、たまたま同じ方向に位置しているように見える状態が直列です。

たとえるなら、遠くの街並みを見たとき、建物が重なって一直線に見えるような視覚的な効果です。

なぜ1つの惑星の後ろに隠れないの?

惑星直列では、複数の惑星が同じ方向に見えても、実際は何億キロも距離があるため、地球から見て少しずつ上下にズレて見えます。

そのため、1つの惑星が別の惑星の背後に完全に隠れることはほとんどありません。

これは山並みを遠くから見たとき、山頂同士が少しずつ位置をずらして並んで見えるのと似ています。

この距離感こそ、直列で全ての惑星を同時に観測できる理由です。

直列と「食(天体が隠れる現象)」のちがい

日食や月食などの「食」は、地球・天体・天体が完全に一直線に並んだときに起こります。

例えば日食は、月が地球と太陽の間に入り、太陽を隠す現象です。

一方、惑星直列は「ほぼ」一直線に並ぶだけなので、隠れ合うことはありません。

つまり直列は、同じ方向に天体が集まって見える現象であり、まるで宇宙の仲間たちが一堂に集まって記念撮影しているかのような、にぎやかな光景なのです。

見やすくなる観測のコツ

観測するなら、日没後や夜明け前に南から東の空を見上げましょう。

惑星は地平線から少し上がった頃が見やすく、暗い空とのコントラストで輝きが際立ちます。

街の明かりが少ない場所に移動すれば、よりはっきりと観測でき、双眼鏡や望遠鏡を用意し天候や月の明るさもチェックすると成功率が上がります。

少し準備をするだけで、直列の迫力を何倍も楽しめるでしょう。

まとめ:宇宙のスケールを想像しながら楽しもう

大惑星直列は見た目が迫力満点なだけでなく、惑星の距離や大きさを想像するとさらに面白くなります。

肉眼で輝く惑星と、道具を使わなければ見られない淡い光。

それらが一度に同じ方向に見えるのは、宇宙の広さと偶然の妙を感じられる瞬間です。

次に同じような直列が見られるのは数年後かもしれません。

ぜひ、時間を作って空を見上げてみてください。

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